微細な磁鉄鉱包有物をもつケイ酸塩鉱物単結晶は、過去の地球磁場を記録する信頼度の高い媒体として着目されている。深成岩などの試料から鉱物単結晶を分離して行う古地磁気測定は、特に長周期の地球磁場変動の解明や地球外試料が記録している古磁場の復元において重要な手法であるといえる。しかし、単結晶試料はは従来の古地磁気研究の主要な試料と比べて試料のサイズと磁化強度が小さく、精度の高い測定に工夫を要することもあり、現在のところ単結晶古地磁気研究は世界でもわずか数グループの研究者によって行われているのみである。そ… もっと読む